妙見の森ケーブル長い歴史に幕…ラストランをファン見守る

12月3日。大阪・兵庫の境に位置する妙見山の乗客を63年間運んできた「妙見の森ケーブルカー」が、その歴史に幕を閉じた。その最後の姿を一目見ようと訪れた客の数はおよそ3700人。その様子に、どれだけ愛されていたことが分かる。

能勢電鉄(兵庫県川西市)が運営する妙見の森ケーブルは、1960年に参拝客の利用などを目的に営業を開始。2両編成で黒川駅から中腹までの666メートルを5分で結ぶケーブルカーだ。

ケーブルカーから眺める日本有数の美しい里山は、四季折々の姿を見せ、車窓からは鹿などの動物も時折姿を見せ、観光客やハイキングの乗客を楽しませた。

その一方で、利用客は1974年をピークに減少傾向となり、コロナの影響もあり利用客の減少で大幅な赤字が続き、老朽化した設備の更新は困難と判断され、廃線の決断を迫られた。

営業終了が公表された9月下旬以降利用客が増え、運転間隔を20分から10分に縮めたが、休日は長蛇の列をつくっていた。

筆者も、年に数回はケーブルカーを利用し、子どもとケーブルカーの到着駅にある「妙見の森」でバーベキューをしたり、アスレチックや散策など、たくさんの思い出があるので、非常に残念な気持ちでいっぱいだ。

「クラウドファンディングなどで資金を調達し残せないのか」という意見もあったそうだが、厳しかったのだろうか。

ひとまず、「長い間の運行お疲れ様でした。」と伝えたい。

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